こんにちは、当ブログを運営しているしょうです。
私はこれまで10年以上、会社員として働いてきましたが、何度も「仕事がうまくいかない」と感じてきました。
人よりミスが多く、同じ仕事を続けるのがしんどい。努力しているのに評価されず、だんだん自信もなくなっていく——。そんな状態がずっと続いていたんです。
あるとき精神科で相談したところ、「ADHD傾向があるかもしれませんね」と言われ、自分でも「やっぱりそうか」と思うところがありました。
それをきっかけに、自分の特性と向き合いながら、働き方や職場環境を少しずつ見直していくようになりました。
そして今では、「無理せず、自分らしく働ける道」があることを実感しています。
ADHD傾向がある人にとって、仕事選びは“視点”がカギ
「ADHDの自分に向いている仕事って何だろう?」
そんなふうに考え始めたとき、いきなり職業名から探して迷子になってしまった経験はありませんか?
実は、ADHD傾向がある人にとって本当に大切なのは、「何の仕事をするか」ではなく、「どんな視点で仕事を選ぶか」なんです。
この記事では、ADHDの特性をふまえて、自分に合う仕事を見つけるための3つの視点をご紹介します。
特別なスキルや資格がなくても、自分らしく働ける方法はきっと見つかります。
視点①|その仕事、自分でコントロールできる?
「この仕事、なんだかずっとモヤモヤする」「毎日終わったあとにぐったりする」
そんな風に感じているとしたら、もしかすると、「自分でコントロールできないことの多さ」が原因かもしれません。
ADHD傾向がある人にとって、働きやすさを大きく左右するのが、「裁量の有無」「自由度の高さ」です。
例えば、誰かの指示に従うだけのルーティンワーク。 「言われた通りにやってください」と手順がガチガチに決められた仕事は、ADHDの人にとっては苦手なことのオンパレードになりやすいんです。
私も過去に「マニュアル重視」「監視体制が厳しい」職場で働いていたことがあります。 そのときは、毎日「正解探し」に追われ、どんどん思考停止していきました。
「この資料、こういうふうに作ってください」 「細かい部分までチェックして、報告してから進めてください」
そんなふうに上司から細かく指示されるたびに、「またミスしたらどうしよう」と萎縮してしまって、結局ミスが増える…。悪循環の連続でした。
一方で、異動後に配属されたチームでは、「やり方は任せるから、うまくいく方法でやってみて」と言われたんです。
最初は戸惑いましたが、「自分で段取りを決めて動ける」というだけで、気持ちが前向きになり、驚くほどスムーズに仕事を進められました。
ここで気づいたんです。 「自分でコントロールできることが多いと、ADHDの特性とうまくつき合いやすくなる」と。
ADHD傾向がある人は、
- 思考の柔軟さがある
- 発想がユニーク
- 自分なりのやり方で集中力を発揮する
という強みを持っています。
でも、その力が発揮されるのは、「自分に裁量がある」「自由にやっていい」と感じられる環境に限られることが多いんです。
逆に、管理が厳しく、細かく指示され、常に評価されているような職場では、過度な緊張や疲労が積み重なりやすくなります。
だからこそ、仕事を選ぶときには、「その仕事、自分の裁量で進められる部分があるか?」をしっかり確認してみてください。
ポイントとしては、
- 裁量労働制やフレックス制があるか
- 進め方を自分で決められる余地があるか
- 「結果で評価される」文化があるか
このあたりを見ていくと、向いている環境かどうかの判断材料になります。
決して、「自由が多い=楽」というわけではありません。
でも、ADHD傾向がある人にとって「自分の特性と調和できる環境」であることは、 結果的に「無理せず長く続けられる」働き方につながっていきます。
「もっと自分で決められる仕事だったら…」
もし今そう思っているなら、それは「あなたのせい」じゃなくて、「環境とのミスマッチ」かもしれません。
「裁量のある働き方」は、あなたの力を最大限に引き出す土台になります。 ぜひ、仕事選びのひとつの軸として意識してみてください。
視点②|疲れるのは“仕事内容”?それとも“人間関係”?
「この仕事、なんかしんどいな…」
そう感じたとき、真っ先に「仕事の内容が合ってないのかも」と考えることが多いかもしれません。
でも実際には、「仕事内容」よりも「人間関係」や「コミュニケーションの疲労」が原因になっているケースも非常に多いんです。
特に、ADHD傾向がある人にとっては、“人との距離感”や“場の空気感”が大きなストレス要因になりやすいと言われています。
・上司の機嫌に振り回される ・何気ない雑談で気を使いすぎる ・朝礼や会議の雰囲気がとにかく苦手 ・「言った・言わない」のやりとりで自信をなくす
こうした“見えない疲れ”は、外からは気づかれにくいけれど、毎日の積み重ねで確実に心をすり減らしていきます。
私自身、まさにこの「人間関係のストレス」で心が潰れかけたことがあります。
仕事自体は嫌いじゃないのに、職場の空気感が重くて、常に気を張っていないといけない。 ちょっとした言葉のやりとりや、表情の変化に過敏になって、家に帰るとぐったりして動けなくなる。
「なんでこんなに疲れるんだろう」と思っていたら、原因は“人の目を気にしすぎる働き方”にありました。
ADHD傾向がある人の中には、
- 人にどう思われているかを過剰に気にしてしまう
- 相手の感情を読みすぎてしまう
- 思ったことを言えずに我慢しがち
という傾向を持つ人も少なくありません。
また、聴覚過敏や情報の処理が追いつかないといった特性がある人にとっては、 「会話」や「雑音の多い職場」自体がストレスになってしまうこともあります。
こうしたタイプの人にとって、「フラットで静かな環境」「コミュニケーションが最低限で済む環境」は、働きやすさの面で非常に大きな意味を持ちます。
たとえば、
- チャットでやりとりする文化が定着している
- 雑談や飲み会の参加が必須ではない
- 業務上の会話が中心で、無理に気を遣わなくていい
こうした環境では、「人に合わせること」にエネルギーを使わずに済むため、本来の仕事に集中しやすくなります。
もちろん、「誰とも関わりたくない」というわけではありません。
大切なのは、「無理に空気を読みすぎなくていい関係性」を築けるかどうか。
職場の人との距離感がちょうどよく、必要な時に必要なやりとりができる。 そんなシンプルな関係性が、ADHD気質の人にとってはとても心地いいんです。
だからこそ、「仕事がしんどい」と感じたときは、仕事内容だけでなく、人間関係や職場の雰囲気にも目を向けてみてください。
「自分が消耗している理由は、もしかして人付き合いの部分にあるのでは?」
そう気づけたとき、職場選びや働き方の選択肢が大きく広がります。
ADHDの人にとって、「何をするか」以上に、「誰と、どんな距離感で働くか」が、心の安定を大きく左右するんです。
視点③|飽きそうか?飽きにくい“仕組み”があるか?
ADHD傾向がある人にとって、「飽きやすさ」はよく知られている特徴のひとつです。
「飽きっぽい=悪いこと」と思われがちですが、私はそうは思いません。 むしろそれは、刺激に対して正直な反応ができるアンテナのようなものだと思っています。
ADHDの人は、「新しいこと」「変化」「好きなこと」に対して、爆発的な集中力を発揮します。 でもそのぶん、単調で刺激の少ない仕事には耐えられなくなってしまう。
これは「根性がない」とか「我慢が足りない」という話ではなく、脳の特性によるものなんです。
私自身、毎日同じルーティンを繰り返す仕事に就いていたとき、 「気づいたら手が止まってる」「集中できてない」「時間だけが過ぎてる」 という日々が続きました。
「また今日も全然進まなかった…」「自分はダメなやつだ」 そんなふうに、自己嫌悪がどんどん積み重なっていきました。
でも、逆に「今日は何をしよう?」「どうすればもっとよくなる?」と 自分で考えられる環境や、小さな変化が日々ある仕事では、 まったく別人のようにエネルギーが湧いてくるんです。
つまり、ポイントは「飽きない仕事を探す」ではなく、
飽きにくくなる“仕組み”があるかどうか
なんです。
たとえば、以下のような仕組みがあると、ADHDの特性とうまく付き合いやすくなります。
- 業務内容にバリエーションがある(毎日同じじゃない)
- タスクが細かく分けられていて、達成感を味わえる
- 自分のアイデアや提案が反映されやすい
- 「飽きたら少し離れてOK」な柔軟性がある
こうした仕組みがあると、「飽きやすさ」がむしろプラスに働くことさえあります。
たとえば私は、ブログやマーケティングの仕事をしているとき、 「毎回違うテーマ」「毎回違う切り口」があるおかげで、 飽きるどころか、次は何をしよう?とワクワクしながら続けられています。
逆に、「Excelで毎日同じ作業を繰り返す」「変化が少なく、改善も求められない」 そんな業務は1ヶ月もしないうちにモチベーションが底をついてしまいました。
ADHDの人は、「刺激に対してスイッチが入る」タイプが多いです。
だからこそ、「マンネリにならない工夫」や「自分で進め方を変えられる柔軟さ」がある職場は、とても大切。
仕事そのものに変化がなくても、
- ツールを工夫する
- 作業手順を改善してみる
- 成果をグラフで可視化する
といった「自分なりの刺激づけ」ができる余地があると、飽きづらくなります。
「どうせ自分は飽きっぽいから続かない」と思わなくて大丈夫です。
大事なのは、「飽きてもいいように仕組みを整えること」。 そうすることで、「飽きる前提」で長く働ける環境がつくれます。
ぜひ、仕事選びのときには「飽きないか?」ではなく、
「飽きそうになったときに、刺激や工夫が用意できる環境か?」
という視点で見てみてください。
それだけで、働きやすさが大きく変わってきます。
どうやって“自分に合った仕事”を見つける?
ここまでお伝えしてきたように、ADHD傾向がある人が働きやすさを感じるかどうかは、
- どれくらい自分の裁量で進められるか
- 人との距離感が自分に合っているか
- 飽きにくい工夫や刺激があるか
といった「環境の条件」に大きく左右されます。
でも実際のところ、仕事を探すときって、つい「職種名」や「会社の知名度」に引っ張られがちですよね。
もちろんそれも大事な要素ですが、ADHD傾向がある人にとっては、 「どんな働き方をしているか」「どんな人たちと働くか」の方がはるかに重要だったりします。
とはいえ、求人票や面接だけで職場の雰囲気まではなかなかわかりません。
だからこそまずは、自分の過去の体験から「合う・合わない」の傾向を知っておくことが大事です。
・どんな仕事がしんどかった? ・どんな働き方ならラクだった? ・「向いてない」と感じた環境に、どんな共通点があった?
こういった経験を振り返って、仕事内容ではなく「働き方の特徴」を言語化してみてください。
たとえば、
しんどかった働き方 | ラクだった働き方 |
---|---|
電話応対が多く、即レス必須 | メール中心で考える余裕がある |
指示通りの作業のみ | アイデアを求められる場面がある |
常に人と連携するチームプレイ | 一人で完結できる仕事が中心 |
こうやって整理しておくと、「どんな条件が揃えば働きやすいのか?」が見えてきます。
そしてその気づきが、「仕事選びに失敗しないための軸」になってくれるはずです。
ここで大事なのは、完璧な“天職”を探そうとしすぎないこと。
最初から100点満点の仕事なんてありません。 でも、「これはしんどいかも」という自分の感覚を信じるだけで、ミスマッチを減らすことができます。
たとえうまくいかなかった経験があっても、それは「自分がダメだった」わけじゃありません。
むしろ、「この環境は合わなかった」というデータがひとつ手に入ったと思えばOKです。
合わない働き方にしがみつく必要はありません。 今の自分にとって、無理なく続けられる働き方を見つけていけばいいんです。
まとめ|“無理なく続けられるか”で決めていい
ADHD傾向があると、どうしても「普通に働くこと」が難しく感じる瞬間があります。
毎日頑張っているのに、なぜかうまくいかない。 同じように働いているはずなのに、評価されない。 少しずつ自信がなくなって、「自分は社会不適合なんじゃないか…」と悩んでしまう。
でも、それはあなたがダメなんじゃありません。 ただ、自分の特性に合っていない働き方を、ずっと無理して続けてきただけなんです。
今回ご紹介した3つの視点を思い出してみてください。
- 自分のペースで仕事を進められるか?
- 人間関係のストレスが少ないか?
- 飽きづらい仕組みが用意されているか?
この3つの軸をもとに仕事や職場環境を見てみると、 「今の仕事がなぜしんどいのか」「自分にとっての向き・不向き」が自然と見えてきます。
そしてなにより大切なのは、「向いている仕事=スキルがある仕事」ではないということ。
肩書きや経験、資格の有無なんかよりも、 “無理なく続けられるかどうか”が一番の判断基準でいいんです。
「自分は飽きやすいから…」 「人間関係が苦手で…」 「仕事が続かないんです…」
そんなふうに悩んできた人こそ、視点を変えることで「生きやすい働き方」に近づけます。
実際、私自身もそうでした。 仕事が続かないことに悩み、「また辞めてしまうかもしれない」と何度も自己否定を繰り返していました。
でもあるとき、「これは自分に合ってないだけなのかもしれない」と思い直し、 自分の特性に合った働き方を試してみたんです。
結果的に、働きやすさが一気に改善されました。 同じ自分なのに、環境が変わるだけでパフォーマンスが変わったんです。
「努力で何とかする」のではなく、「合った環境を探す」。
これは決して甘えではありません。 むしろ、長く安定して働くためには欠かせない視点だと思っています。
あなたにも、ちゃんと「向いてる仕事」があります。
それは、「すごいスキルが必要な仕事」でも、「特別な才能が求められる仕事」でもありません。
“あなたの気質に合っている”だけで、もう十分向いてるんです。
これから、少しずつでもいいので「自分に合った働き方」を一緒に見つけていきましょう。
無理せず、自分らしく、ちゃんと働ける場所はきっと見つかります。
次に読むべきヒントも、ちゃんと用意しています。 気になる方は、ぜひこのまま進んでみてください。